#9吉岡祐亮―全学に懸ける想い―
人生で一度だけ試合に負けて泣いたことがある。
中学校のサッカー部、最後の夏の県大会だ。
チーム目標としていた県ベスト4をかけた試合で敗れてしまった。目標まであと扉一枚だった。
1年前の東北戦も同じ。
チーム目標まであと一歩のところで敗れてしまった。
もちろん悔しかった、そんな事は言うまでもない。
だけど涙は出なかった。
中学校のあの時と何が違ったのか
あるバスケットボールコーチの言葉でこんな言葉がある。
"「勝つ意欲」はたいして重要ではない。そんなものは誰もが持ち合わせている。重要なのは勝つために準備する意欲である"
あの東北戦。
自分に出来ることの全てを注いだ
「勝つ意欲」なんて東北大学はおろか北大の誰にも負けてるつもりはなかった。
じゃあ勝つために準備する意欲はどれほどあったのだろうか。
シーズン途中からDMFをやることになり、最初はとにかくがむしゃらにやった。
先輩、同期、後輩関係無く、山ほどのアドバイスをもらった。
しかし、ポジションが変わったこともあって、リーグ戦の出番が増えていった頃から
試合に出られるようになったという目の前の結果に満足し
評価されている部分にかまけて足りない力を補う努力を怠っていた
甘かった。
本当に甘かった。
だから今シーズンは勝つために準備する意欲にこだわったつもりだ。
評価されてる部分ももっと出来る事はないだろうか考えた。
足りない部分はロングやコーチに教わりながら色々模索した。
ショートでもロングのような存在感を出したくてセミロングなんて名乗ったりもした。
結果どれほど上手くなれたかはわからない。
北海道finalも自分のミスが失点につながって負けてもおかしくないプレーを幾つもしてしまった。
でも
周りのDF陣が幾度となく助けてくれて、OF陣が点をとってくれたおかげで今年もこの舞台に立つことができる。
本当に感謝しかない。
今度はおれがみんなを助ける番だ。
全部守ってクリアして、OF陣が飽きるくらいOFをさせようと思う。
勝つための準備は出来た
勝つ意欲も抑えきれないほど沸き上がっている
あとは勝つだけ。